平成21年 3月議会 一般質問 原稿
引き続きまして、いくつかお尋ねいたします。初の連合審査会での質問です。熱のこもったご答弁をよろしくお願い致します。
では、最初に、市内に1300以上あります、町会のことについてお聞きしたいと思います。町会は、金沢市町会連合会のパンフレットによりますと、住民自身による自治組織が「明るく住みよいまちづくり」を目的として行っているということであります。町会は行政になんでもかんでも頼るのではなく、自分たちで出来ることは自分たちでやろうという気概をもって活動されていることだろうと思います。そう考えますと、町会組織は本市にとって、「住みよいまちづくり」を進めていく上で、なくてはならない存在、重要なパートナーであると言って過言ではないと思います。本市にとって、町会の存在や町会の活動を基本的にどのように位置付けておられるかまずお聞きかせ下さい。
では角度を変えて、「金沢市協働推進計画」についてお聞きします。平成17年4月の条例の制定を受けて作られたこの計画の中で、「計画づくりにあたって」と題した冒頭部分についてお聞きしたいのですが、ここでは平成18年9月から10月にかけて行ったアンケート調査の結果を用いて話を進めています。このアンケートは、町会長向けのものと一般市民向けのものと2種類やっておりまして、それぞれその結果だけをまとめた概要を市のHPで見ることができます。これを読み進めていきますと、アンケート調査の結果を真っ直ぐに見つめた論の展開とは思えない、ともすれば恣意的に話を進めているのではないか、とさえ感じられるものが見受けられます。
この計画では、これまで金沢のコミュニティ活動を支えてきた町会などの地縁組織は活動が硬直化し、機能が発揮しづらくなってきたとの論拠を示し、これからはボランティア団体やNPOとの連携こそが必要であると締めくくっています。私はアンケート結果と推進計画を見比べて、はじめからこのストーリーありきで冒頭部分を作ったのではないかと疑問をもちました。なぜそう考えたのか述べていきたいと思います。
これは (資料提示) 町会長へのアンケートです。「町会の役割として重要なものは何か」という問い。いくつもの役割を皆さん挙げておられるのですが、その中に「地域のまちづくりを勧める担い手」という項目があります。「とても重要」や「ある程度重要」とした町会長が85.4%います。素直にアンケート結果を眺めると、地域のまちづくりにおいて、町会が果たす役割は大きいと考えている町会長はたくさんいらっしゃると読み取れます。しかしながら、推進計画の中で、この項目は9割に満たないので、町会長が重要とする度合いが低いとして扱っています。しかもカッコ書きで、町会長は町会以外で担当してもらいたいと思っていると書いています。重要度のラインはなぜ9割なんでしょうか。また町会以外で担当してもらいたいとの下りは、このアンケート結果から読み取ることはできないのではないかと思います。さらに続けます。
(資料提示) これは地縁組織、市民活動、行政の3者による協働が必要と導き出す論拠としたアンケート。このアンケートは一般市民に地域コミュニティの望ましい組織形態を聞いたものです。結果では、「地域住民が自由に参加し、自主的に地域の将来を考える新たな組織」が今後望ましいとした割合が33.6%いました。この33.6%の人達を「地縁を離れて行動する『市民活動』を望む人達だ」としています。少なくとも「地縁を離れて」とする論拠は見受けられないと思いますし、現在の町会組織の発展形、例えばより民主的な手続きを盛り込んだ地縁組織などを望んで答えた人もいたかもしれません。
別のアンケート (資料提示)、これは町会長に地域の問題解決のために行った働きかけは何かという問いです。行政の担当課に直接相談したというのがトップに来ています。この結果をもとに「町会組織は行政に対し依頼する姿勢が強い」と論じています。町会が自分達だけで解決できない地域の問題を行政に相談するのは自然なことだと思います。にもかかわらず、「町会は行政に依頼する姿勢が強い」と決めつけたかのような文章は看過できないものがあります。ただ、アンケートの数字をどう捉えるかは、人それぞれによって異なってくることもあるかと思いますので、私の捉え方が必ずしも正しいと言うつもりはありませんが、再度ご一考いただければと思います。お考えをお聞かせください。
さて、ここまで、アンケートの中身などかなり細かい指摘をつづけてきましたが、この推進計画の方向性には異論ありませんし、市民活動を応援し、まちづくりを進めていくことはとても大切なことだと思います。しかしながら、ボランティア団体やNPOを「まちづくりに大きな影響を及ぼす」までに育て上げるのは、時間がかかることと思いますし、繰り返しになりますが、町会組織は本市にとって、「住みよいまちづくり」を進めていく上で、なくてはならない存在、重要なパートナーであると思いますので、地縁組織そのものとの協働をもっと考え、現時点においては、すでに組織として出来上がっている地縁組織の盛り上げにもっと取り組むべきだと考えます。市長も今議会の提案理由説明の中でコミュニティ再生を図ると仰っております。さて、来年度予算を見てみますと、「協働のまちづくり推進事業費」の中に町会長のアンケートや研修が新たに盛り込まれています。また、もう一つ、「コミュニティと公共サービスの金沢方式検討費」も盛り込まれています。地縁組織の再生やテコ入れになる予算であればうれしいと思いますが、それぞれ具体的にどのような中身になるかお聞かせ下さい。
ここまで、本市にとって町会組織はなくてはならない存在だと述べてきました。ここで、また違った角度から町会を見つめてみます。中心市街地の人口減少などに起因すると思われますが、まちなかに、世帯数が20以下、さらには10以下の町会が見受けられます。これらの中には今後、10年先、20年先の存続が心配される町会もあるのではないでしょうか。例えば、高齢者人口が50%以上のいわゆる「限界町会」とも言うべき町会が発生することが今後考えられます。そうなれば、町会行事ができなかったり、相互扶助機能が働かなくなることも懸念されます。この状態になる前に町会の合併について考える時期にきているのではないでしょうか。あまり考えたくないことですが、将来、限界町会との合併話を周辺町会が拒むような、悲しいこともあるかもしれません。本質的には、住民自治の観点から市が口出しをする事柄ではありませんが、現状を把握し、必要であれば、町会連合会と連携を図りながら、話し合いの場を設けるなど、コーディネーター役をする必要があるのではないでしょうか。まちなか定住促進策などの施策がありますので、杞憂に終わる可能性もありますが、うまくいかない場合の将来予測は可能だと思います。市長、存続が心配される町会の対応について、どのようにお考えかお聞かせください。
それでは次に来年度予算に120万円が計上されております、「学生のまちづくり推進検討費」についてお聞きいたします。金沢には19の高等教育機関が立地し、人口あたりの大学・大学院の学生数や教員数は東京や京都に次ぐ、日本有数の学術都市です。これまでのまちの歴史においても、学生が大きな影響をもたらしてきたことは想像に難くないわけであります。現在も多くの学生がこの町に住んでいるわけですが、県外出身の学生には住民票を変更せず、また携帯電話の普及により固定電話も持たない人が多いと聞きます。来年度から新入生向けに大学内に出張窓口を設けて住民票の移動を促すとお聞きしておりまして、学生のまちづくり推進のためには金沢市民になっていただくというプロセスは大変重要かと思います。来年度、住民票移動者数の目標をどのように考えておられるのかお聞かせください。
最近は雪かきボランティアや美大生と石引商店街の連携、町家活用に学生が活躍するなどの新聞記事を見かけます。また、中央公園では学生主催による大掛かりなイベントも開催されているとのことです。高齢化社会の観点から考えると、学生のような若い力は頼もしく感じますし、毎年毎年新たな若者たちが金沢へやってくるわけですから、うまく連携できれば、まちの活力を維持さらには増大させることも可能かと思います。学生に市民の一員になってもらい、まちづくりに携わる中で地域の方々と触れ合い、そのことで一人でも多くの金沢ファンができたらいいなと思っています。最終的には条例化を目指しているとお聞きしていますが、この「学生のまちづくり条例」に対する市長の思いをお聞きかせください。
質問の第2点目は社会教育施設についてお聞きします。
図書館及び博物館は教育基本法で規定されている社会教育施設であります。社会教育法第三条には、「国及び地方公共団体は、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民が文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。」と書いてあり、また同九条には「図書館及び博物館は、社会教育のための機関とする。」と書いてあります。図書館法を見てみると第十七条に「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。」と書いてあります。一方、博物館法は第二十三条に同じような記述があります。「公立博物館は、入館料その他博物館資料の利用に対する対価を徴収してはならない。但し、博物館の維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は、必要な対価を徴収することができる。」となっています。図書館と博物館は入館料その他資料の利用に対する対価を徴収してはならない点では同じですが、大きな違いとして、博物館ではやむを得ない事情がある場合に維持運営のための対価を徴収することができるとしている点が挙げられます。そこでお尋ねします。博物館と図書館、ともに社会教育施設としての役割を持っている点では、その存在意義は大きく変わらないと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
博物館法第2条には定義が示されています。「博物館とは、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し・・・」うんぬんと、博物館は実に多岐にわたる施設を包括した言葉だということが分かるかと思います。芸術分野も博物館の中に含まれるわけですから、正確には美術館も博物館だということになりますが、ここでは比較的娯楽的性格が強いと考えられる美術館は話の中に含めずに行きたいと思います。予算案でも博物館費と美術館費を分けて書いていますので、予算案の中の博物館費の話として進めたいと思います。さて、本市にはさまざまな「博物館」が存在するわけですが、今日現在、全部でいくつあるのか。また、それらの料金収入は平成17〜19年度実績及び平成20年度見込みでいくらになるのか。お聞かせください。
予算案の博物館費は8億4千7百万円で、そのうち建設関係費用や美術品購入費などを除いたものが「維持費」という認識でいきますと、4億5千万円ほどです。維持費の4億5千万円と比較すると、料金収入は「小さいな」という印象を受けました。ではここで、いくつかの博物館の開館式での市長挨拶の一部をご披露したいと思います。金沢蓄音器館「この上は、一人でも多くの人にこの館に来てほしい。そして音の魅力を発見して欲しい」。前田土佐守家資料館「研究者だけではありませんで、子供さんからお年寄りまでの、いわゆる「ふるさと教育」にも資することができたらと願っています」。室生犀星記念館「どうか一人でも多くの方々に御覧を賜り、犀星をより身近に、より深く理解をいただき、犀星の熱き創作世界に浸ってくださって、ファンにもなっていただければ大変幸せに思います」。徳田秋聲記念館「完成をいたしましたので、一人でも多くの方々にご覧を賜り、秋聲をより身近に、より深く理解をして頂ければと思います」。とまあ、本当に一部だけを取り上げたわけですが、「みなさんに来てほしい」という市長の思いが本当に強いのだなと感じられます。ここで気になるのは料金収入、料金収入は維持運営費に比べてかなり小さい。このわずかなお金を得るために入館者を大きく減らしているとしたら、「多くの方に来てほしい」という最も重要な要素が蔑ろにされ、施設の存在意義も問われてしまいます。多くの公金を使って維持してきたこれらの社会教育施設、もっと利用してもらいたい。せめて市民だけでも料金を気にすることなく自由に出入りできたら、「ふるさと教育」に資する施設としてより輝きを増すのではないでしょうか。なんでもかんでもタダにしろという乱暴な議論をしたいわけではありません。一人でも多くの人が本市の博物館にて沢山の学びや気づきを得てほしい。その思い一つであります。価値観によりさまざまに意見が分かれることかと思いますが、市長はどのようにお考えになられるかお聞かせください。
時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
